第1位 砂漠
「あのね、俺たちがその気になればね、
砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」 ―西嶋とにかく。もうとにかく、メインの五人が好きすぎる!何だろう、自分が登場人物達と年齢が近いからかな?
今まで読んだ小説にないくらい、東西南北+鳥に感情移入してしまった。
でも逆に、彼らを好きになれなければ、一切面白くは無いかもしれない。
第2位 ラッシュライフ
「人生については、誰もがアマチュアなんだよ。そうだろ?
はじめて試合に出た新人が、失敗して落ち込むなよ」
―黒澤初めて、小説を読んでいて「こりゃ凄い」と言葉が漏れた作品。
エッシャーの騙し絵を、小説という媒体を用いて体現した形でしょうか。
構成の妙。複雑に絡み合う複数の物語を、
あれだけ分かりやすく読者に伝えられる伊坂幸太郎の才能に脱帽です。
その分、映画版が残念すぎる。
第3位 チルドレン
「俺たちは奇跡を起こすんだ」
―陣内語りべを変えながら、「陣内」という男の生き方を描く作品。
ウザくて、単なる空気の読めない奴。
陣内さんのことを、そう思っていた時期が僕にもありました。けれど読んでいる内に、彼のことを大好きになっている不思議。
こんな人が近くにいたら、面倒くさいけど毎日が楽しくなるだろうな。
第4位 オーデュボンの祈り
「神様のレシピだ。未来は神様のレシピで決まる」
―日比野伊坂幸太郎の原点。
奇妙で異質でおかしくて、そして理不尽で。
一つの殺人(?)事件を発端に、その不思議な島で起こる数々の物語。
この島に足りない物は一体何か? 犯人は誰か?
いくつも謎が散りばめられているため、続きを早く読みたいと一気に読み終えたのを覚えています。
島の不思議さも、現実離れしてはおらず、なおかつ現実ではありえない、その絶妙さ。
この完成度の高さでがデビュー作とは、とても考えられません。
第5位 陽気なギャングが地球を回す
「話、長くなる?」
「わたしの話が長くなったことがあるか?」
「話が長くないっていう説明がまた長いんだよ、響野さんは」
―久遠と響野やっていることは銀行強盗という犯罪。
なのにちっともシリアスではなく、むしろ漂うコメディの雰囲気。
とにかく人物同士の会話が軽妙でキレが良く、引き込まれる。
響野が成瀬にしてやられた時は、彼の呆気に取られて、
なおかつ平静を保とうとする表情が目に浮かび、笑いが込み上げてきます。
もちろん伊坂お得意のどんでん返しも健在。
ラッシュライフと同じで、映画版はちょっと残念。
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